スワップって何?
持ち越した夜に、つく値札。
同じ「スワップ」という言葉が、銀行どうしの大きな取引と、個人の外国為替の取引の両方で使われる。どちらも根っこにあるのは、二つの通貨の金利の差だ。
30秒要約
- 銀行どうしの「FXスワップ」は、二つの通貨をいま交換し、先の日に逆に交換し直す取引。2025年4月には1日4兆ドルと、外国為替で最も多く取引された。
- 交換し直すときのレートには、二つの通貨の金利の差が映る(金利平価)。
- 個人の外国為替の取引で言う「スワップ」は、持っている取引を次の営業日に持ち越すときの受け払い。金利の差をもとに業者が決め、受け取る日も支払う日もある。
同じ言葉に、二つの顔。
銀行どうしの取引でも、個人の取引でも、「スワップ」と呼ばれるものがある。
2025年4月の、FXスワップの1日の平均の取引額
外国為替の取引の種類で最も多い(BIS)。
金利の差が、値段になる。
先の日に交換し直すレートには、二つの通貨の金利の差が映る。
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金利平価
国際決済銀行の論文は、二つの通貨の金利の差は、先の日の為替レートといまの為替レートの差に等しくなるはずだ、という関係を「カバー付き金利平価」と説明する[3]。
つまり、金利の高い通貨を先の日に受け取る約束には、その分の差が値段として織り込まれる。
夜を越えると、値札がつく。
個人の外国為替の取引で言うスワップは、取引を次の営業日に持ち越すときの受け払いだ。
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持ち越しの仕組み
個人向けの外国為替の取引では、決済を先に延ばしながら取引を持ち続けることが多い。この「持ち越し(ロールオーバー)」のたびに、二つの通貨の金利の差をもとにした受け払いが生まれる。
業者の決め方
米国の自主規制機関NFAは、業者に対し、持ち越しの受け払いをどう計算するかを書面の方針に定め、その要素と出どころを記録し、毎日の確認書に持ち越しを載せるよう求めている[4]。計算のしかたは業者ごとに違う。
値札は、受け取る日も、払う日もある。
金利の高い通貨を持つ側か、低い通貨を持つ側かで、向きが変わる。
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金利が動けば、値札も動く
持ち越しの受け払いは、二つの通貨の金利の差で決まる。中央銀行が政策金利を動かせば、その差も変わる[5]。
値札だけでは決まらない
受け取る側に立っていても、為替レートの動きのほうが大きければ、取引全体では損になることもある。この記事は、どちらの側に立つべきかを勧めるものではない。
この先を読むための、目盛り。
スワップの値札を読むための目盛りを置いておく。
次の問い
NEXT QUESTIONお金の、いちばん奥の蛇口。NEXT QUESTION建物のない、世界最大の市場。FIELD NOTESの表紙棚を見る →この記事で言えないこと
- 業者ごとの実際のスワップの値。業者と時期で変わるため、この記事では扱わない。
- 日本など、国ごとの個人向け取引の細かな規則。この記事では米国の例だけを確かめた。
出典
[1] BISBIS Data Portal 用語集(foreign exchange swap)2026年9月26日確認・国際機関[2] BISTriennial Central Bank Survey 2025(外国為替)2025年9月30日・国際機関[3] Borio, McCauley, McGuire, Sushko(BIS)Covered interest parity lost: understanding the cross-currency basis(BIS Quarterly Review)2016年9月・国際機関の論文[4] 全米先物協会(NFA)Forex Transactions: Regulatory Guide2026年9月26日確認・自主規制機関[5] 欧州中央銀行(ECB)The ECB’s monetary policy strategy statement(2025年)2025年6月・中央銀行