なぜ世界の通貨は、バラバラのまま?
百五十余りの財布を、世界は手放さない。
ひとつの通貨にすれば、両替はいらない。それでも世界には、百五十を超える通貨が残っている。分け合う国、借りる国、手放さない国。その理由を並べる。
30秒要約
- 通貨の国際規格(ISO 4217)には、基金や金などの単位を除くと、155の通貨が載っている(2026年9月17日の版)。
- 一つの通貨を分け合う国もある。ユーロは21か国、西アフリカのCFAフランは8か国、中部アフリカのCFAフランは6か国で使われる。米ドルを自国の通貨として使う国もある。
- 通貨を手放さない大きな理由は、景気や物価が国ごとに違うとき、自分の国に合った金利や為替で衝撃をやわらげられるから(最適通貨圏の考え方)。
財布の数は、百五十余り。
国際規格の一覧を数えると、いま使われている通貨は155あった。
通貨の国際規格に載る、いま使われている通貨の数
取材側の数え方。基金、金や銀、計算用の単位を除いた。コードの総数は178。
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数え方
通貨の国際規格 ISO 4217 の一覧(2026年9月17日の版)には、178の通貨コードがある。このうち、指数に連動する基金や、金・銀などの貴金属、国際機関の計算用の単位などを除くと、国や地域で使われている通貨は155になる[1]。
国の数より少ないのは、一つの通貨を何か国かで使っていることがあるからだ。
一つの財布を、分け合う国々。
何か国かで一つの通貨を使う仕組みは、いくつもある。
ユーロを使う国の数
2026年1月1日にブルガリアが加わった。
他人の財布を、借りる国。
自分の国の通貨を持たず、ほかの国の通貨をそのまま使う国もある。
通貨の国際規格の一覧で、米ドルが使われている国と地域の数
米国と、その海外の地域を含む。
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米ドルを使う国
通貨の国際規格の一覧では、エクアドル、エルサルバドル、パナマ、パラオ、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、東ティモールなどで米ドルが使われている[1]。
米ドルを使えば、米国との両替の手間はなくなる。そのかわり、金利は米国の事情で決まり、自分の国だけで動かすことはできない。
手放さない、いちばんの理由。
景気や物価の動きが国ごとに違うなら、自分に合った金利と為替を持つほうが、衝撃を吸収しやすい。
経済学者マンデルが「最適通貨圏」の考え方を示した年
国と国のあいだで働く人が移りにくいほど、別々の通貨の意味が大きい、とする考え方。
この先を読むための、目盛り。
通貨の地図が動くときに見ておきたい目盛りを置いておく。
次の問い
NEXT QUESTIONお金の、いちばん奥の蛇口。NEXT QUESTION建物のない、世界最大の市場。FIELD NOTESの表紙棚を見る →この記事で言えないこと
- 世界の「通貨の数」の公式な数え方。この記事では、国際規格の一覧を取材側が集計した。
- 通貨を分け合う仕組みごとの、細かな約束(為替の固定のしかたなど)。